「この犬種が可愛い!」「子どものころから、いつかこの犬と暮らしたかった」。犬を迎えるきっかけは、そんな「好き」の気持ちから始まることが多いものです。その気持ちは、これからの暮らしを支える大切な原動力になります。
そのうえで、犬との暮らしを長く楽しむためには、「自分たちの暮らしに合うか」という視点も欠かせません。この記事では、犬を迎える前に考えておきたい7つのことをご紹介します。
「好き」と「暮らしに合う」の両方で考える
犬種を選ぶときに、好きな犬種をあきらめる必要はありません。たとえば、お手入れに手間がかかる犬種でも、それを知ったうえで「サロンに定期的に通う」と決めておけば、無理なく暮らしていけます。
大切なのは、「この子を迎えたら、暮らしの何がどう変わるか」を具体的にイメージしておくことです。次の7つの視点で、ご家族で話し合ってみてください。
1. 住まい
まずは、今の住まいで犬が過ごせるかどうかを確認しましょう。
- 集合住宅の場合、犬を飼うことが認められているか(大きさや頭数の制限があることも)
- サークルやベッドを置けるスペースがあるか
- 階段や段差が多くないか
- 近くにお散歩できる道や公園があるか
賃貸の場合は、「ペット可」の条件を細かく確認しておくことが大切です。くわしくは「賃貸で犬を飼う前に確認したいこと」をご覧ください。
2. 留守にする時間
お仕事や学校で家を空ける時間がどのくらいあるかも、大切なポイントです。子犬のうちは、食事やトイレのお世話に手がかかります。成犬でも、長い時間ひとりで過ごすのが苦手な子もいます。
留守が長くなる日がある場合は、家族で分担できるか、日中の預け先を使えるかもあわせて考えておきましょう。預け先については「留守や旅行のときの預け先」でご紹介しています。
3. 体の大きさ
体の大きさによって、日々の暮らしのいろいろな場面が変わります。
| 小型犬 | 中型犬 | 大型犬 | |
|---|---|---|---|
| 抱っこや移動 | 抱っこやキャリーで移動しやすい | 車での移動が中心になることも | 車があると安心 |
| 必要なスペース | 比較的コンパクト | ゆとりがあると安心 | 広いスペースが必要 |
| フードや用品の費用 | おさえやすい | 中程度 | 大きくなりやすい |
| ペットホテルなど | 対応しているお店が多い | お店によっては制限も | 対応できるお店が限られることも |
将来、体力が落ちてきたときに抱っこできるかどうかも、大きさを選ぶときのひとつの目安になります。
4. お手入れの手間
毛のタイプによって、お手入れの内容は大きく変わります。
- 毛が伸び続ける犬種:抜け毛は比較的少ないが、毎月のカットが目安
- ダブルコートの犬種:換毛期にたくさん毛が抜けるので、毎日のブラッシングと掃除が大切
- 短毛の犬種:カットは不要だが、犬種によっては抜け毛が多い
「サロンに通う手間」と「掃除の手間」のどちらなら続けられそうかを考えてみると、選びやすくなります。くわしくは「毛のタイプで変わるトリミングの手間と頻度」をご覧ください。
5. お散歩や遊びの時間
犬種や個体によって、必要なお散歩の時間や運動量は違います。毎日のお散歩の時間を、朝と夕方に確保できるかを考えておきましょう。
雨の日や、暑い日・寒い日の過ごし方もイメージしておくと安心です。お家の中で遊べるスペースや、天気に左右されない遊び方を知っておくと、お散歩に行けない日も気持ちに余裕ができます。
6. 家族構成と、これからの暮らし
犬との暮らしは、10年以上続くこともあります。今だけでなく、これからの家族の変化も考えておきましょう。
- 小さなお子さんや、ご高齢の家族がいるか
- 先住の犬や猫など、ほかの動物がいるか
- 引っ越しや転勤、結婚や出産などの予定があるか
- 10年後、自分や家族はどんな暮らしをしていそうか
もしものときにお世話を代わってくれる人がいるかも、話し合っておくと安心です。家族での役割分担は「家族で決めておきたい「わが家のルール」」でご紹介しています。
7. 費用
犬を飼うには、お迎えのときの費用だけでなく、フードやトリミングなど毎月の費用がかかります。体の大きさや毛のタイプによって金額は大きく変わるので、迎えたい犬種が決まってきたら、年間の費用を一度試算してみましょう。試算の方法は「犬を飼うのにかかる費用」でご紹介しています。
セルフチェック表
ご家族で話し合うときに、次の質問を使ってみてください。
| 質問 | 考えるヒント |
|---|---|
| 今の住まいで犬を飼える? | 規約、スペース、お散歩コース |
| 平日に留守にするのは何時間? | 家族の予定、預け先 |
| 抱っこで運べる大きさがいい? | 移動手段、将来の体力 |
| 毎月サロンに通える?毎日ブラッシングできる? | 毛のタイプとお手入れ |
| 毎日のお散歩の時間はとれる? | 朝・夕方の過ごし方 |
| これから10年の暮らしは? | 引っ越し、家族の変化 |
| 年間の費用は無理なく出せる? | 毎月の固定費と年に数回の費用 |
すべてに「はい」と答えられなくても大丈夫です。「ここはこう工夫すればいけそう」という答えが見つかれば、それがそのままお迎えの準備になります。
同じ犬種でも「その子らしさ」はさまざま
犬種ごとの大きさや毛のタイプは、ある程度の目安になります。けれど、同じ犬種でも、性格や毛の量、好きな過ごし方は一頭一頭違います。
犬種のイメージだけで決めつけず、できれば実際にその子に会って、様子を見たり、お世話をしている人に話を聞いたりしてみましょう。迎え方の違いは「犬の迎え方の選択肢」でご紹介しています。
迷ったら「1日の過ごし方」を書き出してみる
犬との暮らしを具体的にイメージするには、今の1日の過ごし方に、犬のお世話を当てはめてみるのがおすすめです。
| 時間帯 | 家族の予定(例) | 犬のお世話(例) |
|---|---|---|
| 朝 | 出勤・登校の準備 | ごはん、トイレの片づけ、朝のお散歩 |
| 昼 | 仕事・学校 | 留守番(または日中預かり) |
| 夕方 | 帰宅 | 夕方のお散歩、ごはん |
| 夜 | くつろぎの時間 | 遊び、ブラッシング、トイレの片づけ |
| 休日 | 買い物・お出かけ | 長めのお散歩、トリミングの送迎 |
書き出してみると、「朝のお散歩は誰が行ける?」「残業の日はどうする?」といった、具体的な課題が見えてきます。その課題をどう解決するかを家族で話し合うことが、そのままお迎えの準備になります。
実際に犬と過ごす時間をつくる
本やインターネットで調べるだけでなく、実際に犬と過ごす時間をつくると、より具体的にイメージできます。
- 犬を飼っている知人に、お散歩やお世話に同行させてもらう
- 保護団体の譲渡会やイベントに参加して、いろいろな犬に会う
- 気になる犬種を飼っている人に、日々のお手入れについて話を聞く
「思っていたより力が強い」「抜け毛がたくさん服につく」など、実際に触れてみて初めてわかることもたくさんあります。
よくあるご質問
共働きでも犬を飼えますか?
共働きのご家庭で犬と暮らしている方はたくさんいます。留守番の環境を整えること、朝と夕方にお世話やお散歩の時間をつくること、必要なときに預け先を使うことなどを、あらかじめ考えておくと安心です。忙しい方のトリミングの通い方は「お仕事が忙しい飼い主様へ」でご紹介しています。
初めて犬を飼うなら、どんな子がいいですか?
「初心者向けの犬種」という決まりはありません。この記事の7つの視点で、ご家族の暮らしに無理なく合うかどうかを考えてみてください。迎える前にたくさん調べていること自体が、大切な準備です。
スタッフ
まとめ
犬を選ぶときは、「好き」の気持ちとあわせて、住まい・留守の時間・体の大きさ・お手入れ・お散歩・家族のこれから・費用の7つの視点で、暮らしとの相性を考えてみましょう。セルフチェック表や1日の過ごし方を書き出すと、具体的な準備が見えてきます。
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