犬を飼う前に知っておきたい「お手入れ」のこと|毛のタイプで変わるトリミングの手間と頻度

「どの犬種を迎えようか」と考えるとき、見た目の可愛さや体の大きさ、暮らしとの相性を思い浮かべる方は多いと思います。一方で、意外と見落とされがちなのが「お手入れ」のことです。

犬の毛は、犬種によって伸び方も抜け方もまったく違います。毎月のトリミングが欠かせない犬種もいれば、ブラッシングを中心に過ごせる犬種もいます。お迎えしてから「こんなに手がかかるとは思わなかった」とならないよう、この記事では、毛のタイプごとのお手入れの手間を、トリミングサロンの視点からご紹介します。

なぜ「お手入れ」を飼う前に考えておきたいのか

お手入れで考えておきたい3つのことお手入れで考えておきたい3つのこと1時間ブラッシングやサロンへの送り迎え2費用毎月〜数か月ごとに続くトリミング代3暮らし抜け毛の掃除や服やソファにつく毛

犬のお手入れは、お迎えした日からずっと続きます。犬との暮らしは10年以上になることも多く、そのあいだ、次のようなことが日々の暮らしに関わってきます。

  • 時間:お家でのブラッシングや、サロンへの送り迎えの時間
  • 費用:トリミング代は、毎月〜数か月ごとに続く出費
  • 暮らし:抜け毛の掃除や、服やソファにつく毛への対応

好きな犬種を選ぶことはもちろん大切です。そのうえで、「その子のお手入れを続けていけるか」をあわせて考えておくと、お迎えしてからの暮らしがぐっと楽になります。お手入れの手間を知ったうえで選んだ犬種なら、毎日のブラッシングも、定期的なトリミングも、楽しい習慣になっていきます。

犬の毛は大きく分けて3タイプ

犬の毛は、お手入れの観点から大きく3つのタイプに分けられます。

タイプ特徴代表的な犬種お手入れの中心
伸び続けるタイプ毛が伸び続け、抜け毛は比較的少ないトイプードル、シーズー、マルチーズ、ヨークシャーテリア、ビションフリーゼなど定期的なカット
抜け替わるタイプ(ダブルコート)上毛と下毛の二層構造で、季節の変わり目にたくさん抜ける柴犬、ポメラニアン、ウェルシュ・コーギー、ゴールデン・レトリーバーなどブラッシングと換毛期のケア
短毛タイプ毛が短く、長さはほとんど変わらないフレンチ・ブルドッグ、パグ、スムースチワワ、スムースダックスなどシャンプーとブラッシング

同じ犬種でも、個体によって毛の量や質は少しずつ違います。ここでの分け方は、お手入れを考えるための大まかな目安として参考にしてください。

タイプ1:毛が伸び続ける犬種

お手入れの特徴

トイプードルやシーズーのように、毛が伸び続ける犬種は、抜け毛が比較的少ないのが魅力です。その一方で、放っておくと毛はどんどん伸びていきます。

伸びたままにしておくと、目に毛がかかったり、足裏の毛が伸びてフローリングで滑りやすくなったりします。また、細くて柔らかい毛が多いため、毛玉ができやすいのも特徴です。

トリミングの頻度の目安

全身のカットを含むトリミングは、1か月に1回程度が目安です。短めのスタイルにすれば間隔を少しあけられますが、顔まわりや足裏などは伸びるのが早いため、定期的に整える必要があります。

お家でのケア

毛玉を防ぐために、こまめなブラッシングが大切です。耳の後ろ、脇の下、足の付け根など、こすれやすい場所は特に毛玉ができやすいので、意識してとかしてあげましょう。

こんな方に向いています

抜け毛の掃除をできるだけ減らしたい方や、季節や気分に合わせてカットスタイルを楽しみたい方に向いています。テディベアカットやサマーカットなど、スタイルの選択肢が多いのもこのタイプの楽しさです。トイプードルのスタイルは「トイプードルのカットスタイル図鑑」でご紹介しています。

タイプ2:毛が抜け替わる犬種(ダブルコート)

お手入れの特徴

柴犬やコーギーのように、ダブルコートの犬種は、しっかりした上毛と、やわらかい下毛の二層でできています。春と秋の「換毛期」には、下毛が一気に抜け替わります。この時期は、ブラシをかけるたびに驚くほどの毛が取れることもあります。

換毛期以外でも少しずつ毛は抜けるため、お部屋の掃除は年間を通して欠かせません。

トリミングの頻度の目安

シャンプーを中心としたお手入れは、1〜2か月に1回程度が目安です。換毛期には、サロンで下毛をしっかり取り除いてもらうと、お家での抜け毛がだいぶ楽になります。

ポメラニアンのように、カットスタイルを楽しむ飼い主さんが多い犬種もあります。ただし、毛質によっては短くしすぎないほうがよい場合もあるので、長さはトリマーと相談しながら決めましょう。

お家でのケア

換毛期は、できれば毎日のブラッシングを。抜けた下毛をそのままにしておくと、毛が絡まって固まりやすくなります。下毛を取るためのブラシを用意しておくと便利です。

こんな方に向いています

その犬種らしい自然な姿が好きな方や、毎日のブラッシングをスキンシップの時間として楽しめる方に向いています。抜け毛の掃除を習慣にできるかどうかも、あわせて考えておきましょう。

タイプ3:短毛の犬種

お手入れの特徴

フレンチ・ブルドッグやパグのような短毛の犬種は、カットの必要はほとんどありません。ただし、「短毛=抜け毛が少ない」とは限らず、犬種によっては短い毛がたくさん抜けることもあります。短く硬い毛は、服やソファに刺さると取れにくいこともあります。

また、顔のしわがある犬種は、しわの間に汚れがたまりやすいので、こまめに拭いてあげると清潔に保てます。

トリミングの頻度の目安

シャンプーと爪切りなどの基本のお手入れは、1〜2か月に1回程度が目安です。

お家でのケア

ラバーブラシでなでるようにブラッシングすると、抜けた毛が取れて、毛つやもよくなります。お散歩の後は、固く絞ったタオルで体を拭くだけでも十分です。

こんな方に向いています

サロンに通う頻度をおさえたい方や、日々のお手入れをシンプルにしたい方に向いています。ただし、抜け毛の量は犬種によって違うので、気になる方はお迎え前に確かめておきましょう。

ミックス犬の場合は?

ミックス犬は、両親のどちらの毛質を受け継ぐかによって、お手入れの内容が変わります。子犬のうちは判断が難しく、成長するにつれて「伸び続ける毛」だとわかることもあります。

お迎えする前に、できれば親犬の写真を見せてもらったり、毛質について聞いたりしておくと、お手入れのイメージがつかみやすくなります。

お手入れの手間をくらべてみよう

伸び続けるタイプダブルコート短毛タイプ
サロンの頻度(目安)1か月に1回程度1〜2か月に1回程度1〜2か月に1回程度
お家のブラッシングこまめに(毛玉対策)換毛期は毎日習慣として定期的に
抜け毛の量比較的少ない多い(特に換毛期)犬種による
カットスタイル楽しめる犬種によっては楽しめるほとんど変わらない

どのタイプがいちばん楽、ということはありません。「定期的にサロンに通う」「毎日ブラッシングする」「掃除をこまめにする」のうち、どれが自分の暮らしに合うかを考えてみるのがおすすめです。

お手入れにかかる費用の考え方

トリミングの費用は、1回あたりの料金だけでなく、年間で考えておくとイメージしやすくなります。

  • 年間のトリミング代=1回の料金 × 年間の回数
  • 毛が伸び続ける犬種で毎月通うなら、年に12回程度
  • シャンプー中心の犬種で、1〜2か月に1回なら、年に6〜12回程度

1回の料金は、犬種や体の大きさ、コース(シャンプーかカットか)によって変わります。同じ大きさでも、毛が伸び続ける犬種はカットに時間がかかるため、料金も高めになるのが一般的です。料金表の見方は「トリミング料金はどう決まる?」でくわしくご紹介しています。

このほか、お家で使うブラシやコーム、拭き取り用のタオルなども必要です。犬を飼うのにかかる費用全体については、「犬を飼うのにかかる費用」の記事もあわせてご覧ください。

お迎え前にしておきたいこと

  • 通えるサロンを探しておく:自宅からの距離や、予約の取りやすさも確認しておきましょう。
  • 子犬のサロンデビューの時期を知っておく:初めてのトリミングの時期や準備は「子犬の初めてのトリミングはいつから?」でご紹介しています。
  • 毛質に合ったブラシを用意する:スリッカーブラシ、コーム、ラバーブラシなど、毛のタイプに合うものを選びましょう。
  • 体を触られる練習のやり方を知っておく:お迎えして落ち着いたら、足先や耳、口元にやさしく触れる習慣をつくると、トリミングに慣れやすくなります。

お家では、まずブラッシングを中心に。ご家庭で難しい部分は、サロンでお手伝いできます。

よくあるご質問

抜け毛が少ない犬種なら、お手入れは楽ですか?

抜け毛の掃除は楽になりますが、そのぶん毛が伸び続けるため、定期的なカットが必要になります。「掃除の手間」と「サロンに通う手間」のどちらを優先するか、という視点で考えてみてください。

カットはお家でできますか?

動き回る犬にハサミを使うのは、思った以上に難しいものです。特に顔まわりや足裏は、犬が急に動いたときに危ないこともあります。お家ではブラッシングを中心にして、カットはサロンにおまかせいただくのが安心です。くわしくは「お家ケアはブラッシングだけでOK?」もご覧ください。

子犬のうちはトリミングはいらないですか?

子犬のうちは毛がまだ短いことが多いですが、サロンに慣れておくことはとても大切です。大人になってから初めてサロンに行くより、小さなころから少しずつ慣れておくほうが、その後のトリミングがスムーズになります。

SKIPPY
スタッフ
スタッフからのひとこと「この犬種だと、お手入れはどのくらい必要?」といったお迎え前のご相談も、お気軽にどうぞ。トリマーの視点からお答えします。

まとめ

犬のお手入れの手間は、毛のタイプによって大きく変わります。毛が伸び続ける犬種は定期的なカット、ダブルコートは換毛期のブラッシング、短毛の犬種はシャンプーとブラッシングが中心です。お迎え前に「どのお手入れなら続けられるか」を考えておくと、犬との暮らしがぐっと楽になります。

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