新しい家族を迎えると、楽しいことばかりに目が向きがちですが、忘れてはいけないのが「手続き」です。犬を飼うときには、法律で決められた手続きがいくつかあります。
とはいえ、ひとつひとつはそれほど難しいものではありません。この記事では、お迎えの前後に必要な手続きと、引っ越しなどで状況が変わったときの手続きを、時系列でご紹介します。
なお、手続きの窓口や方法、手数料はお住まいの自治体によって異なります。くわしくは、お住まいの市区町村のホームページもあわせて確認してください。
手続きの全体像
| タイミング | 手続き | 窓口 |
|---|---|---|
| お迎えから30日以内 | 犬の登録 | 市区町村 |
| お迎えから30日以内 | マイクロチップの所有者変更(装着済みの場合) | 環境省の情報登録システム |
| 年に1回 | 狂犬病の予防注射と注射済票の交付 | 動物病院や市区町村の集合注射 |
| 引っ越したとき | 住所の変更 | 市区町村、マイクロチップの情報登録 |
| 必要に応じて | 血統書の名義変更、ペット保険など | 各団体・保険会社 |
お迎えから30日以内:市区町村への犬の登録
どんな手続き?
犬を飼うときは、狂犬病予防法にもとづいて、お住まいの市区町村に犬の登録をする必要があります。登録は、犬を取得した日(お迎えした日)から30日以内が原則です。生後90日以内の子犬を迎えた場合は、生後90日を過ぎてから30日以内に登録します。
登録は、その犬の一生のうちに一度だけ行います。登録がすむと、「鑑札(かんさつ)」が交付されます。
マイクロチップとの関係
自治体によっては、マイクロチップの情報登録をすると、市区町村への登録もあわせて済んだことになる「特例制度」に参加しています。この場合は、マイクロチップが鑑札の代わりになります。お住まいの自治体が参加しているかどうかは、市区町村の案内で確認しておきましょう。
鑑札はどうする?
鑑札は、犬につけておくことが法律で決められています。首輪に取り付けられる鑑札ケースなどもあるので、暮らしに合う方法を選びましょう。迷子になったときにも、飼い主を探す手がかりになります。
お迎えから30日以内:マイクロチップの所有者変更
マイクロチップとは
マイクロチップは、犬の体に埋め込む小さな筒状の電子標識です。個体ごとの番号が記録されていて、迷子や災害のときに、飼い主を確認する手がかりになります。
2022年6月から、ブリーダーやペットショップなどで販売される犬には、マイクロチップの装着と情報登録が義務づけられています。
新しい飼い主がすること
マイクロチップが装着された犬を迎えた場合は、新しい飼い主として、環境省の「犬と猫のマイクロチップ情報登録」で所有者の変更登録を行います。お迎えのときに受け取る書類に必要な情報が記載されているので、大切に保管しておきましょう。手続きはオンラインでも行えます。
保護犬や知人から譲り受けた犬の場合は、マイクロチップが装着されているかどうか、登録の状況はどうなっているかを、譲渡元に確認しておきましょう。
年に1回:狂犬病の予防注射と注射済票
狂犬病予防法では、犬の飼い主に年に1回の狂犬病予防注射が義務づけられています。注射を受けたら、市区町村で「注射済票」の交付を受けます。注射済票も、鑑札と同じく犬につけておくことが決められています。
注射は、動物病院や、市区町村が春に行う集合注射などで受けられます。動物病院で注射済票の交付まで代行してくれる自治体もあります。毎年春ごろには、登録した住所に案内が届くことが多いので、見落とさないようにしましょう。子犬の場合の時期などは、かかりつけの動物病院で確認してください。
トリミングサロンやペットホテルを利用するときに、注射やワクチンの証明書の提示を求められることもあります。証明書は、すぐに取り出せる場所にまとめておくと便利です。
引っ越したときの手続き
犬と一緒に引っ越したときも、手続きが必要です。
- 市区町村への届出:新しい住所の自治体に届け出ます。引っ越し前の鑑札を持っていくと、手続きがスムーズです。
- マイクロチップの情報変更:登録している住所や連絡先を更新します。
- 迷子札の書き換え:連絡先を記入している場合は忘れずに。
自治体によっては、マイクロチップの情報を変更すれば市区町村への届出も済む場合があります。引っ越し前と引っ越し後の両方の自治体の案内を確認しておくと安心です。賃貸への引っ越しについては「賃貸で犬を飼う前に確認したいこと」もご覧ください。
必要に応じて行う手続き
血統書の名義変更
血統書がある犬の場合、発行団体で所有者の名義変更ができます。必要かどうかは、お迎え先に確認してみてください。
ペット保険
ペット保険は任意ですが、加入できる年齢に条件がある商品もあります。検討する場合は、お迎えの前後に調べておくと安心です。費用については「犬を飼うのにかかる費用」でご紹介しています。
迷子札をつける
法律で決められた手続きではありませんが、連絡先を書いた迷子札を首輪につけておくと、万が一のときに見つけてもらいやすくなります。マイクロチップは専用の機器がないと読み取れないため、迷子札と併用するのがおすすめです。
手続きを忘れないためのコツ
- お迎え前に自治体の案内を読んでおく:窓口や必要なものを確認しておくと、お迎え後にあわてずにすみます。
- お迎えした日をカレンダーに記録する:30日以内の期限がわかりやすくなります。
- 書類をひとつのファイルにまとめる:お迎え時の書類、鑑札や注射済票の控え、証明書などをまとめて保管しましょう。
- 家族で担当を決める:手続きを誰が行うか決めておくと、「誰かがやったと思っていた」を防げます。家族の役割分担は「家族で決めておきたい「わが家のルール」」でご紹介しています。
手続きチェックリスト
- お住まいの自治体の案内(窓口・方法・手数料)を確認した
- お迎えした日を記録した
- 市区町村への犬の登録をした(または特例制度の対象か確認した)
- マイクロチップの所有者変更をした
- 狂犬病の予防注射の時期を確認した
- 鑑札と注射済票をつけた
- 迷子札を用意した
- 書類をひとつのファイルにまとめた
保護犬や知人から迎える場合の注意
すでに誰かに飼われていた犬を迎える場合は、手続きの内容が少し変わることがあります。
- 市区町村への登録がすんでいるか:登録済みの犬の場合は、新しく登録するのではなく、飼い主の変更などを届け出ることになります。
- 鑑札や注射済票を引き継ぐ:前の飼い主から受け取っておきましょう。
- マイクロチップの有無と登録情報:装着されている場合は、所有者の変更登録が必要です。
必要な手続きは、譲渡元やお住まいの市区町村に確認しておくと安心です。迎え方の違いは「犬の迎え方の選択肢」でご紹介しています。
書類ファイルにまとめておきたいもの
犬に関する書類は、ひとつのファイルにまとめておくと、手続きや預け先の利用のときにすぐに取り出せます。
- お迎えのときに受け取った書類(契約書、譲渡の書類など)
- マイクロチップの登録証明書
- 狂犬病の予防注射やワクチンの証明書
- 血統書(ある場合)
- ペット保険の保険証券(加入している場合)
スマートフォンで写真を撮っておくと、外出先でも確認できて便利です。
よくあるご質問
手続きをしないとどうなりますか?
犬の登録や狂犬病の予防注射は、法律で決められた飼い主の義務で、罰則も定められています。忘れずに手続きしましょう。
子犬がまだ小さいうちに迎えた場合は?
生後90日以内の子犬の場合、市区町村への登録は生後90日を過ぎてから30日以内が目安です。ただし、マイクロチップの所有者変更はお迎えから30日以内に行います。それぞれ期限が違うので、カレンダーに記録しておくと安心です。
手続きには何を持っていけばいいですか?
自治体によって異なります。お迎えのときに受け取った書類や、注射の証明書などが必要な場合があります。出かける前に、市区町村のホームページで確認しておきましょう。
スタッフ
まとめ
犬を迎えたら、お迎えから30日以内に市区町村への登録とマイクロチップの所有者変更を行い、年に1回は狂犬病の予防注射を受けます。引っ越したときの手続きも忘れずに。窓口や方法は自治体によって異なるので、お迎え前に案内を確認し、書類をひとつのファイルにまとめておくと安心です。
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