「朝預けたのに、お迎えは夕方になってしまった」「帰ってきたらぐったりして、すぐに寝てしまった」。トリミングの日の愛犬の様子を見て、「この子にとって、トリミングはそんなに大変なことなのかな」と心配になったことはありませんか。
トリミングは、ワンちゃんにとって決して楽な時間ではありません。けれど、その負担の大きさは、サロンの進め方や環境によって大きく変わります。
この記事では、トリミングがワンちゃんの負担になる理由と、負担の少ないサロンを見分けるためのポイントを、「時間」「進め方」「ドライヤー」「施術スペース」の視点からご紹介します。
トリミングがワンちゃんの負担になる理由
トリミングのあいだ、ワンちゃんはいくつもの「いつもと違うこと」を一度に経験しています。
- 飼い主様と離れる:いちばん安心できる人がそばにいません
- 体を触られる:足先や顔まわり、お尻など、ふだんあまり触られないところも触られます
- 水や風、音:シャワーの水、ドライヤーの風と音、バリカンの振動など、刺激がたくさんあります
- 立ち続ける:トリミング台の上で、長い時間同じ姿勢でいることもあります
- 知らないにおいや気配:ほかのワンちゃんのにおいや鳴き声が気になる子もいます
こうしたことをすべてなくすことはできません。だからこそ、「減らせる負担を、できるだけ減らしているか」が、サロン選びの大切なポイントになります。
負担の大きさを左右する「時間」
「施術時間」と「待ち時間」
トリミングの日にワンちゃんがサロンで過ごす時間は、大きく分けて「施術を受けている時間」と「待っている時間」の2つです。
施術の時間は、犬種や体の大きさ、毛の状態によってある程度決まっています。一方で、待ち時間は、サロンの進め方によって大きく変わります。何頭ものワンちゃんを同時に預かり、順番に施術するサロンでは、自分の番が来るまで、あるいは工程と工程のあいだに、ケージで待つ時間が長くなりがちです。
待ち時間も、ワンちゃんにとっては緊張の時間
「待っているだけなら楽なのでは」と思うかもしれません。けれど、知らない場所で、ほかのワンちゃんの鳴き声やドライヤーの音を聞きながら、いつ飼い主様が迎えに来るのかわからずに待つ時間は、ワンちゃんにとって意外と緊張する時間です。特に、シャンプーのあとなど、体が濡れていたり半分乾いた状態で待つことになると、落ち着きにくい子もいます。
「預けてからお迎えまで」の内訳を聞いてみる
サロンを選ぶときは、「お預けからお迎えまで、どのくらいかかりますか?」「そのうち、施術している時間はどのくらいですか?」と聞いてみるとよいでしょう。待ち時間をできるだけ短くする工夫をしているサロンかどうかがわかります。
流れ作業と一頭ずつ向き合う進め方の違い
流れ作業の進め方
サロンによっては、シャンプー担当、乾かす担当、カット担当など、工程ごとに担当者を分けて、何頭ものワンちゃんを順番に進めていくところもあります。たくさんのワンちゃんを受け入れられるというよさがある一方で、工程と工程のあいだに待ち時間が生まれやすく、担当者が変わるたびにその子の様子を把握し直す必要があります。
一頭ずつ向き合う進め方
ひとりのトリマーが、シャンプーから仕上げまで一頭を担当する進め方では、その子の様子をずっと見守りながら進められます。緊張しているときは少し休ませる、苦手なところはあとに回すなど、その場で進め方を変えやすいのもよいところです。工程のあいだの待ち時間も生まれにくく、仕上がりまでの時間を短くしやすくなります。
| 流れ作業の進め方 | 一頭ずつ向き合う進め方 | |
|---|---|---|
| 担当者 | 工程ごとに変わることが多い | ひとりのトリマーが最後まで |
| 待ち時間 | 工程のあいだに生まれやすい | 生まれにくい |
| 様子の把握 | 担当が変わるたびに把握し直す | 最初から最後まで見守れる |
| 進め方の調整 | 決まった順番で進みやすい | その子の様子に合わせやすい |
| 向いている子 | トリミングに慣れている子 | 緊張しやすい子、子犬、シニア犬 |
どちらが正解というわけではありませんが、緊張しやすい子や、長時間の滞在が苦手な子には、一頭ずつ向き合うサロンのほうが合いやすいでしょう。
ドライヤーの方法も大切
シャンプーのあとのドライは、トリミングの中でも時間がかかる工程です。その方法にも、サロンの考え方があらわれます。
ケージドライヤー
ケージの中にワンちゃんを入れて、温風を当てて乾かす方法です。トリマーの手があくため、そのあいだにほかの作業を進められるというよさがあります。一方で、ケージの中に熱がこもりやすいため、温度や時間の管理、そしてワンちゃんから目を離さないことがとても大切になります。
ハンドブロー
トリマーが手に持ったドライヤーで、ブラシをかけながら乾かす方法です。毛の状態や皮膚を確かめながら、風の当て方や温度をその場で調整できます。時間と手間はかかりますが、ワンちゃんの様子をずっと見守りながら乾かせるのが特徴です。毛をまっすぐ伸ばしながら乾かすので、仕上がりのきれいさにもつながります。
ドライヤーの音が苦手な子も
ドライヤーの音や風が苦手なワンちゃんもいます。風の強さを調整したり、顔まわりはやさしく乾かしたりと、その子に合わせた工夫をしてくれるかどうかも大切です。苦手なことがある場合は、予約のときに伝えておきましょう。
施術スペースの環境
個室か、オープンなスペースか
広い部屋で何頭ものワンちゃんを同時に施術するサロンでは、ほかの子の鳴き声やドライヤーの音、動きがどうしても気になりやすくなります。個室で一頭ずつ施術するサロンなら、ほかの子の気配を気にせず、トリマーと向き合うことに集中できます。
音、光、におい
ドライヤーやバリカンの音、照明のちらつき、においなども、ワンちゃんの落ち着きにかかわります。照明と犬の目については「サロンの照明、気にしたことはありますか?」、衛生面については「衛生的なトリミングサロンの見分け方」でご紹介しています。
足元が安定しているか
トリミング台の上がすべりやすいと、ワンちゃんは踏ん張ろうとして体に力が入り、疲れやすくなります。足元が安定しているかどうかも、小さなことのようで大切なポイントです。
その子の様子に合わせて進めてくれるか
負担の少ないサロンは、決まった手順をそのまま進めるのではなく、ワンちゃんの様子を見ながら進め方を変えています。
- 休憩をはさむ:疲れている様子があれば、少し休ませてから続ける
- 苦手なところは後回しに:足先や顔まわりなど、苦手なところは落ち着いてから
- 無理をしない:どうしても難しいときは、飼い主様に相談してメニューを変える
- 安全をいちばんに:動いて危ないときは、無理に押さえつけるのではなく、安全に配慮した方法を選ぶ
こうした柔軟な対応ができるのは、時間に追われず、一頭と向き合う余裕があるサロンです。時間がかかったときの料金の考え方については「時間延長の基準が明確なサロンが良心的な理由」でご紹介しています。
子犬・シニア犬・怖がりな子の場合
子犬
子犬のうちのトリミングは、「サロンは怖くない場所」と覚えてもらうことがいちばんの目的です。最初は短い時間のシャンプーなどから、その子のペースで進めてくれるサロンを選びましょう。くわしくは「子犬の初めてのトリミングはいつから?」をご覧ください。
シニア犬
シニアのワンちゃんは、立ち続けることや、長い時間の滞在が負担になりやすくなります。休憩をはさみながら進めてくれるか、体調によっては部分的なケアに切り替えるなど、その日の様子に合わせてくれるかを確かめましょう。くわしくは「シニア犬のトリミング」でご紹介しています。
怖がりな子
怖がりな子は、ほかのワンちゃんの気配や音が少ない、落ち着いた環境が向いています。同じトリマーに続けて担当してもらうことも、安心につながります。くわしくは「トリミングが苦手な子・怖がりな子に」をご覧ください。
見学や初回で確かめたいこと
犬の負担が少ないサロンかどうかは、次のような質問で確かめられます。
- 「お預けからお迎えまで、どのくらいかかりますか?」
- 「シャンプーから仕上げまで、同じトリマーさんが担当しますか?」
- 「施術中は、ほかのワンちゃんと同じ部屋ですか?」
- 「ドライヤーはどのように乾かしますか?」
- 「疲れているときや、怖がっているときはどうしますか?」
そして、いちばんの手がかりは、お迎えのときの愛犬の様子です。何度か通ううちに、帰ってきたあとも落ち着いている、お店に入るときに嫌がらなくなった、といった変化があれば、そのサロンが愛犬に合っているしるしです。
SKIPPYの場合
SKIPPYでは、ワンちゃんの負担をできるだけ減らせるよう、次のことを大切にしています。
- 流れ作業にしない:一人のトリマーが同時に複数頭を流れ作業のように施術するのではなく、目の前の一頭にしっかり向き合います
- トリマーと2人だけの個室:ほかのワンちゃんの気配を気にせず、落ち着いて過ごせます
- 小型犬は最短2時間:待ち時間や施術中の負担をできるだけ抑え、小型犬は最短2時間でお迎えできます
- 丁寧な全身ハンドブロー:毛と皮膚の状態を確かめながら、手で乾かして仕上げます
- 担当トリマー制:同じトリマーが続けて担当し、その子の性格や苦手なことをわかったうえで進めます
また、平日の15時枠・17時枠は、店内がいちばん落ち着いている時間帯です。音や人の出入りが気になりやすい子は、この時間帯を選ぶのもおすすめです。
仕上がったあとは、すぐにお迎えに来られなくても大丈夫です。12kg以下のワンちゃんは、トリミング当日の日中お預かりがコースに含まれているので、ご用事をすませてからゆっくりお迎えにお越しください(ホテルの混雑日を除きます)。
トリミングの前後に、お家でできること
ワンちゃんの負担を減らすために、飼い主様にもできることがあります。
お預けの前
- お散歩とトイレをすませておく:サロンで落ち着いて過ごしやすくなります
- ごはんの直後は避ける:食べてすぐにシャンプーやドライヤーをするより、少し時間をあけたほうが楽に過ごせる子が多いようです
- 送り出しは明るく、あっさりと:飼い主様が不安そうにしていると、その気持ちはワンちゃんにも伝わります。「行ってらっしゃい」と明るく送り出してあげましょう
- 気になることは伝えておく:その日の体調や、最近苦手になったことなどを伝えておくと、トリマーも進め方を工夫できます
お迎えのあと
- たくさんほめてあげる:「がんばったね」と声をかけてあげると、トリミングの日の記憶がうれしいものになります
- お家でゆっくり休ませる:緊張がほどけて、疲れが出ることがあります。その日は無理に遊ばせず、静かに過ごせるようにしてあげましょう
- いつもと違う様子がないか見る:体をしきりにかいている、元気がないといった様子が続くようなら、サロンに相談したり、動物病院で見てもらったりしましょう
「トリミングが平気になる」までの積み重ね
トリミングが苦手な子も、積み重ねによって少しずつ平気になっていくことがあります。
小さな「大丈夫だった」を重ねる
一度にすべてを乗り越えようとするのではなく、「今日は足先を少し触らせてくれた」「ドライヤーの音に驚かなかった」といった小さな「大丈夫だった」を重ねていくことが大切です。その子のペースに合わせて進めてくれるサロンなら、無理なく慣れていけます。
間隔をあけすぎない
前回から時間があきすぎると、せっかく慣れてきたサロンのことを忘れてしまうこともあります。また、毛が伸びたり毛玉ができたりして、施術の時間が長くなりやすくなります。その子に合った間隔で通うことも、負担を減らすことにつながります。
同じ人、同じ時間帯で
いつも同じトリマーが担当し、いつも同じような時間帯に通うと、ワンちゃんにとっても「いつもの流れ」になり、安心しやすくなります。くわしくは「「担当トリマー制」のサロンが安心な理由」をご覧ください。
あせらず、長い目で
苦手なことが平気になるまでには、時間がかかることもあります。他の子と比べず、その子の小さな変化を、トリマーと一緒に喜んでいけるといいですね。
季節によって変わる負担
トリミングの負担は、季節によっても変わります。
暑い季節
暑い日は、サロンへの移動そのものがワンちゃんの負担になります。日差しの強い時間帯を避けたり、車内を涼しくしてから乗せたりと、移動のしかたにも気を配りましょう。サロンの中でも、ドライヤーを使うトリミングルームは温度が上がりやすいので、空調に気を配っているかどうかも大切です。
寒い季節
寒い季節は、シャンプーのあとに体が冷えないよう、しっかり乾かすことが大切です。毛の根もとまで乾いていないと、帰り道に体が冷えてしまうこともあります。帰りは、ブランケットなどで暖かくしてあげるのもよいでしょう。
雨の多い季節
雨の日は、足まわりやお腹が汚れやすく、湿気で毛も乾きにくくなります。雨の日にサロンへ向かうときは、レインコートを着せるなど、汚れや濡れを少なくする工夫をしておくと、サロンでの時間も短くすみます。
多頭飼いの場合
何頭かのワンちゃんを一緒に預けるときは、同じ日にまとめるか、別の日に分けるかで、それぞれの子の過ごし方が変わります。一緒にいると安心する子たちなら同じ日に、自分の番を待つ時間が長くなりそうなら別の日に分けるなど、それぞれの性格に合わせて考えてみましょう。迷ったときは、予約のときにサロンに相談してみてください。
「負担が少ない」かどうかは、愛犬の様子で確かめる
サロンの負担の少なさは、説明や設備だけでなく、最終的には愛犬の様子にあらわれます。
- お迎えのとき:うれしそうに出てくるか、必要以上に疲れた様子がないか
- 帰宅後:いつもどおりに食べたり眠ったりできているか
- 次の来店のとき:お店の前で足が止まらなくなったか、自分から入っていくようになったか
こうした様子を何回か見ていくと、そのサロンが愛犬に合っているかどうかが、少しずつ見えてきます。気になることがあれば、担当トリマーに伝えてみましょう。進め方を工夫してもらえることもあります。
よくあるご質問
トリミングのあと、愛犬がすぐに寝てしまいます。
トリミングのあとは、緊張がほどけて疲れが出ることがあります。お家でゆっくり休ませてあげましょう。いつもと違う様子が続く場合は、サロンにも相談してください。
施術時間が短いと、仕上がりが雑になりませんか?
時間が短いことと、仕上がりが雑なことは同じではありません。待ち時間を減らし、一頭に集中して施術することで、仕上がりの質を保ちながら、ワンちゃんがサロンで過ごす時間を短くすることができます。
ケージドライヤーは使わないほうがいいですか?
ケージドライヤーそのものが悪いわけではありません。大切なのは、温度や時間をきちんと管理し、ワンちゃんから目を離さないことです。気になる場合は、サロンに乾かし方を聞いてみましょう。
飼い主様がそばで見ていてもいいですか?
サロンによって対応は異なります。飼い主様の姿が見えると、かえって落ち着かなくなるワンちゃんもいるため、お預けの形にしているサロンも多いです。不安なときは、施術中の様子をお迎えのときにくわしく聞いてみてください。
スタッフ
まとめ
トリミングの負担をすべてなくすことはできませんが、サロンの進め方や環境によって、その大きさは大きく変わります。施術時間だけでなく待ち時間をできるだけ短くしているか、一頭ずつ向き合っているか、ドライヤーの方法や施術スペースの環境はどうか、そしてその子の様子に合わせて進めてくれるか。こうしたポイントを確かめ、お迎えのときの愛犬の様子も手がかりにしながら、愛犬に合うサロンを選んであげてください。
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- 住所:埼玉県所沢市北秋津357-1(駐車場あり)
- 電話受付:10時〜19時(年中無休)TEL 050-1794-3246
- ご予約:LINEから24時間受付
- 12kg以下のワンちゃんは、トリミング当日の日中お預かりがコースに含まれています
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